NHKのハートネットTVで放送予定の「折元 立身さんのアート作品」
うつ病でアルツハイマー病の母、男代(おだい)さん。ひとりで介護する現代美術家の息子、折元立身(たつみ)さん(70)。20年間、母と息子は、介護生活からアート作品を次々と創出してきました。
身長130センチの小柄な母が、段ボールで作られた大きな靴をはいて、高い所から堂々と前を見つめる写真。「背が小さく、学校の朝礼で背の順に並ぶといつも一番前。貧しくて破れた靴を見られるのが悲しかった」・・・介護の途上、母の昔話を聞き、少しでも勇気づけようと息子が制作した作品です。「母との日常こそアートである」、その発想の転換は病によって変わりゆく母に絶望し、出口を見失っていた毎日に風穴を開けたのです。そして“アートママ”と名付けられた写真や映像作品の数々は、世界中の美術展覧会に招待されるまでに。
しかし今春、状況は一変。98歳の母・男代さんが亡くなったのです。これまで、どんなこともアートへと昇華してきた立身さん。しかし、共同制作者であり最愛の人だった母の死に直面し、何も生み出せず、家に閉じこもるようになりました。母の死を如何に受容し、表現しうるのか?喪失と創造の日々に密着しました。
放送日
2017年7月31日(月曜)再放送2017年8月7日(月曜)13時10分〜
関連記事