渋谷直角さんのブログ「ロベルトノート」の記事「ハーレー・ダビットソンの男」が面白いです。
辛い局面を、笑いをまじえて文章とともに描けてしまうのはすごい!
茂木健一郎さんのTwitterで書かれていた「笑いの力」というのはこれだと思いました。
『笑い』について書かれている茂木健一郎さんのツイート
笑い(1)笑いは、不安や恐怖を乗り越える上で大きな力を持つ。ついこわばりがちな心や身体をほぐし、前向きに生きるエネルギーをつくることができるのだ。笑いによって、人生のエネルギー問題は必ず解決できる。
笑い(2)自分に不安や恐怖を与えているものの正体は、ついつい見たくないと思ってしまうものである。そのような時、状況を余裕を持ってメタ認知する笑いの作用が助けになる。自分自身の欠点も、笑いを通して的確に把握することができるのだ。
笑い(3)自分の欠点を頑なに認めようとしない人は、まわりの空気を凍らせ、コミュニケーションを疎外する。頑固な人が、「オレは頑固じゃない」と言い張ると、もうそれでおしまい。「いやあ、どうしても頭が硬くて」と笑いながら頭をかく余裕があれば、周囲も発言がしやすくなる。
笑い(4)事態が深刻であるほど、指導者はユーモアを持たなければ的確な判断ができない。レーガン大統領が狙撃された時、手術室で医者に「念のため聞いておくが、君は共和党員だろうね」と尋ねた。そのような精神が、危機の時の指導者に不可欠な資質である。
笑い(5)自分のことを笑える男性は魅力的である。人に笑われるくらいならば、一歩進んで自分から笑われてしまおう。欠点をメタ認知できる人は、危機に強い。また、他人に対する包容力がある。自分の欠点を隠す人は、他人に厳しい傾向がある。
笑い(6)笑いは、意味に凝り固まった世界を、ほぐし、脱構築し、創造性のための空き地をつくる作用を持つ。道化が一人いることで、現場の人たちが必要以上に深刻になったり、一つの見方に縛られてしまうことを避けることができるのだ。
笑い(7)笑いはまた、反骨精神の発露でもある。地位を笠に着て威張り散らす侍に対して、職人が抵抗する落語『たが屋』。社会秩序の息苦しさを、江戸の花火の開放感に托して解きほぐした、古典落語の名作である。
笑い(8)バナナの皮で転ぶスケッチに見られるように、笑いは緊張や不安と表裏一体である。プロの表現者は、常に、笑いをとれるぎりぎりの線を探っているのだろう。『リトル・ブリテン』の二人に、ダイアナ妃の死後英国では王室に関わる笑いは難しくなったと聞いたことがある。
笑い(9)笑いのプロは社会批評自体が目的ではない。メタ認知のラインを笑いがとれるぎりぎりに模索する。時には失敗するかもしれないが、タブーの領域に挑戦する笑いの表現がなければ、社会全体が硬直化する。実験的な笑いが、社会を若く保つのだ。